―― ロックマンX プロローグ ――


西暦21××年、世界は大変な進化を遂げていた。
ロボットと人間が共存し、助け合っている世界がそこにあった。

“ロボットの父”と呼ばれるDr.ライトが開発、発展させた工業用ロボット達、それが時代と共に進化し、現在では「レプリロイド」と呼ばれる、完全人間的思考型ロボットが完成されていた。


それは人間に使われるロボットではなく、時には上司として人間をも使うロボットも多く存在するほどの、人間とレプリロイド間は完全に平等な世界なのである。しかし、今までどおりのロボットも存在し、それらはメカニロイドと呼ばれ、人間もしくはレプリロイドによって命令され働いていた。


人間、レプリロイドが共存する社会にはやはり問題も起こる。
人間に犯罪者がいるようにレプリロイド、メカニロイドにも故障者や狂ったロボットも同様に存在する。
それら故障ロボットを「イレギュラー」と呼び、それらを処理する為の機関(現在の警察にあたる様なもの)も存在し、その者達を「イレギュラーハンター」と呼んでいた。


イレギュラーハンターの任務は、人間もしくはレプリロイドに危害を加えるイレギュラーを発見し、抹消する事であり、回収はしない。イレギュラー、イコール死(スクラップ)が世界の安全対策として考えられた決まりである。


イレギュラーハンターはそのレベルによりA、B、Cの3階級と、全体の0.01%にあたる最も優れたものに与えられる特Aがあり、その4階級で構成されていたのである。
この物語の主人公X(エックス)はBランクにあたるイレギュラーハンターである。
エックスは自分の過去も知らず、自分自身の力もどれほどなのか理解していなく、ただ任務としてイレギュラーハンターを続けている。


エックスは悪(イレギュラー)に対して人一倍の憎しみを持っているが、時折見せる優しさの為何度か危ない目にあっている。しかし、運がいいのか一度もやられた事がないのである。
悪を許せないが、戦う事は好まない、そんな性格からか心に葛藤があり、戦いを好む他のイレギュラーハンター達とは、なかなかうまくやっていけないでいた。


しかし、そのエックスにも唯一友人と呼べるハンターがいた。
ZERO(ゼロ)と呼ばれ、イレギュラーハンターの中では特Aクラスでエックスとは正反対の性格を持ち、エックスの繊細さとは逆に少しがさつな感じがあり、イレギュラーを抹消する事に疑問や戸惑いはなく、常にクールに処理を行う。悪に対して強烈なほどまでに憎しみを持っている事のみエックスと同じである。


そういった正反対のゼロに対してエックスは好意を持ち尊敬もしていた。
ゼロもエックスに対して何か底知れないものを感じていた。
周りから見ればゼロはエックスより優秀で強いが、ゼロはそうは思っていない。逆に今は表れていないエックスの秘めた力を恐れていた。


そしてもう一人、この物語において重要なレプリロイドがイレギュラーハンター部隊の中にいた。そのレプリロイドがこの物語の悪の根源である。


エックスが所属する第17部隊の隊長Σ(シグマ)。
レプリロイドの中でも史上最強といわれるシグマは、とにかく強く、頭脳も優秀で第17部隊(エックスのいる部隊)の隊長でもある。


ある日、シグマがレプリロイド達に命令を下した。
「人間を抹殺しろ!人間は我々の敵だ!殺せ!!」
この掛け声によって、レプリロイドたちは暴れだし、強烈な反乱が開始された……。
シグマの力によりレプリロイド、メカニロイドが狂い出し、人類の危機が訪れた。
少数のレプリロイドがシグマの行動に疑問を感じ反乱を阻止しようと戦ったが、史上最強のレプリロイドに叶うはずはなかった。


エックスも、シグマの行動に疑問を感じ、反乱を阻止しようとシグマと敵対関係になった一人だった。
不思議な絆で結ばれた友人ゼロと共に、平和を守るべく戦う決意をするエックス。

こうして、二人のイレギュラーハンターが、一人のイレギュラーとその軍団に立ち向かったのである。




参考資料
ロックマンX 取扱説明書
ロックマンX アルフ ライラ with 大坪稔明 (解説書)
CAPCOM LINE UP CATALOG 1994・SPRING
  




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