―――評議会 |
M1 IN
周囲が騒然としている。 |
フォクスター |
静粛に! |
SE ドン! 机を叩く音 |
ケルベリアン |
ジャッジメント! |
イナラビッタ |
人間に害をなす凶悪重大事案が急増している現状にたんなみ、再発防止、一般予防の見地から該当する形式番号のレプリロイドには、厳罰をもって臨む必要がある。よって、真実なる統治者エックスの御名(みな)において、イレギュラーと認定。廃棄処分とする。 |
周囲がざわめく。
SE ドンドン! 机を叩く音 |
ケルベリアン |
イレギュラー認定! |
エックス |
本日のイレギュラー案件に関して、これにて閉廷とする。 |
M1 OUT |
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―――外 |
SE 風が吹いている音
SE 鳥のさえずりが聞こえている。 |
イナラビッタ |
今日のエックス様の判決も、納得できないよなあ・・。 |
フォクスター |
イナラビッタ!めったなことを口にするな。
法の守護者たる私達審官が、弁護となる情状の証明にまでいたらなかっただけだ。 |
イナラビッタ |
でもよ、フォクスター。結局あいつが何を見ちまったかーなんて知らされてもいないし、たいした話し合いもなくイレギュラー認定なんて、判決急ぎすぎだと思うだろ?
もっとゆーっくり話し合う時間がいるってのにさー。 |
マンティスク |
またこの手で無用な命を刈らねばならぬのかと思うと・・気が重い。
我が鎌を振るわぬことこそが、平和の証のはずなのだが。 |
ケルベリアン |
ふむ。しかし、人々がイレギュラーの恐怖を捨てきれないのもまた事実なのだ。
マンティスクよ。我々が守るべき法は人のためのもの。
レプリロイドの我々には辛いものだがな・・。
エックス様は・・変わってしまわれた。 |
SE
SE 風が吹く音 |
ハルピュイア |
ケルベリアン。 |
ケルベリアン |
はっ、これは・・賢将殿! |
SE 足音 ハルピュイアの所に歩いていくケルベリアン。 |
ハルピュイア |
今の話・・聞かなかったことにしておこう。
近頃のイレギュラー増加に関しては、我ら四天王の至らぬこともある。
今日の案件、責任を問われるのは・・オレのはずではなかったのか? |
ケルベリアン |
ご自愛を、賢将殿。あなたはエックス様同様、人々を照らす光。 |
SE 再び風が吹き始める。 |
ケルベリアン |
ご自分をお責めにならないでください。
危険思想の温床となる、イレギュラー予備軍の矯正。ストレス要因の是正といった、予防処置は必要です。しかし、ネオ・アルカディアの基本思想は本来、人とレプリロイドの協調であったはず・・。
エックス様・・。より良き選択を・・。 |