〜[ゼロとシエル] ロックマンゼロサイドストーリー12〜
「通信途絶えました」 ジョーヌが言い終えると同時に、司令室にサイレンが鳴り響く。 「ネオ・アルカディア軍が各エリアからベースへ向けて侵攻を開始しました。総攻撃をしかけてくる模様です」 ルージュが状況を分析して報告すると、シエルは瞼を伏せた。 「ゼロ……私………」 シエルの顔は強張り、瞳は潤んでいた。 ゼロはシエルの両肩を強く掴んだ。 「お前は自分を信じて戦った。ここからは…オレの仕事だ…。奴らのいるエリアを教えろ。迎撃する」 「ゼ…ゼロ………」 シエルは泣き出しそうになるのをこらえ、ルージュとジョーヌに指示を出した。 ルージュとジョーヌがミッションのシミュレーションを行っている間、シエルはゼロに話し掛ける。 「ゼロ……私…どうしたらいいの…。これ以上、誰も傷つけたり、悲しませたくないのに…」 いつになくシエルの声は弱々しくなっていた。いつものしっかりした様子が見られない。 「私がシステマ・シエルなんて作らなければ…、こんなことにならなかったのかしら…………。私は…もう戦わなくてすむように、みんなが幸せに暮らせるようになればって…思って………」 シエルは思い詰めた表情をして俯いた。 「シエル…」 ゼロは片手でシエルの頬に触れて、優しく撫でてやる。シエルが見上げると、ゼロは黙って首を振った。 「ごめんなさい…。ゼロやレジスタンスのみんなが戦ってくれているのに、こんな弱気な発言ばかりして…」 「お前は一人じゃない」 静かな口調でゼロが言うと、シエルは穏やかな笑みを浮かべる。 「ええ。一人ぼっちはとても辛いものね。でも、私にはゼロやみんながいる。だから一人じゃないよね」 シエルは、ネオ・アルカディアではずっと一人で、研究ばかりして生きてきた。 でも、どんなに勉強しても、研究をして理論を解明したりしても、孤独は決して克服することも癒されることもなかった。 セルヴォ、アルエット、コルボー、ダンド、イブー、ミラン……レジスタンスの仲間たちと出会い、互いに助け合い一緒に暮らすうちに、シエルは他人の温かさを感じられて、心から幸せだと思った。 そのときわかった。自分が欲しかったのは、天才科学者の肩書きや名声でもなく、信じあえる居場所だと。 それを今、シエルは改めて感じていた。 「さっきね……、ハルピュイアがここに転送されてきたとき、うわ言でコピーエックスの名前を呼んでたの」 言いながら、シエルは胸の辺りで両手の指を組み合わせた。 「ハルピュイアはコピーエックスに突き放されたのに、とても傷ついてたのに、それでもコピーエックスのことを想ってた……。一人できっと…辛かったと思う」 ゼロは、オメガの攻撃を受けて負傷したハルピュイアの姿を思い浮かべた。シエルは目を伏せて、話を続ける。 「私にはゼロやみんながいてくれた。だから、ハルピュイアを一人にしてはおけない。助けて上げられるなら、助けてあげたいの。ハルピュイアも……コピーエックスも………二人とも、とても寂しそうだったから」 シエルは指をほどき、暗い表情をした。 「さっき、コピーエックスがハルピュイアのことを悪く言う前に悲しい顔をしたけど…、今思えば、あの子はハルピュイアのこと心の底では信じてるのかもしれない。そうでなきゃ、長年連れ添うなんてできないと思う。きっと気持ちがすれ違ってしまったのよ」 「何故わかる?」 「よくわからないけど……女の直感ってやつかしら」 シエルは肩をすくめてみせる。 ゼロはコピーエックスを思い浮かべた。 ネオ・アルカディア本部で戦ったときのコピーエックスは、無邪気な言動と裏腹に、まるで飽きたおもちゃを解体するかのように、ゼロを痛めつけて苦しめた。 コピーエックスがあそこまで歪んだのは、『エックス』へのコンプレックス、そしてハルピュイアの干渉と過保護が原因なのは間違いないだろう。 確かにコピーエックスの立場になって考えてみれば、自分を『エックス』の身代わりとして生み出し、それでいて過剰にかまうハルピュイアを疎ましく感じるだろう。 コピーエックスが人間保護政策を推し進めて、平和の維持に執着したのも、ハルピュイアの呪縛から逃れようともがく手段、自身を認めて欲しいというコピーエックスの願いであり、苦しみ悩んでいる心の表現。 それでもコピーエックスは、自分の苦しみに気づかないハルピュイアを遠ざけることもなく、長い間共に生きてきた。 ずっと一緒にいた、傍にいてくれたハルピュイアを、心の底では愛していたのかもしれない。 だがバイルによって、コピーエックスの抱えていた心の暗い闇、孤独の部分が表に出てしまったのだろう。 「すべての元凶はバイルか」 ゼロの言葉にシエルは頷く。 「だから、助けられるなら助けてあげたい。きっとハルピュイアの心を癒せるのはエックス――コピーエックスだけでしょうから。それにコピーエックスにはハルピュイアにちゃんと謝ってあげて欲しいの。あの子のした罪はそれだけじゃないけど、でも、生きてさえいるのなら、償うこともできるはずだから」 ゼロは腕を組んだまま、シエルが話すのを聞いている。 「人間もレプリロイドも、今生きてる人はみんな…生き足りないから生きているのよ。だから、生かされている限り何だってできる……私はそう思うの」 そこまで言って、シエルはばつが悪そうにゼロの顔をじっと見つめる。 「ごめんなさい。勝手なことばかり言って……」 「気にするな。あいつもお前と同じようなことばかり言っとった」 あいつとは誰を意味してるのか、シエルにはすぐわかった。 『エックス』のこと…また考えてるのね。 シエルはちくりと胸が痛んだ。 そしてもう一人、『エックス』を心底想っていたハルピュイアの姿を頭に思い浮かべた。 「ゼロ…。レジスタンスの中にはね…、何故ネオ・アルカディアの、しかも、四天王である彼を助けたんだって…言ってくる者もいるけど…、彼は…彼ならきっと、いつか私たちのことを理解して…力になってくれるような気がするのよ…」 「…シエル。お前はハルピュイアとは知り合いだったのか?」 ゼロは疑問を口に出した。どうもシエルの口調からして、ハルピュイアと何か面識があったように思えなくもない。 「知り合い…というのはちょっと違うわね。だって、ネオ・アルカディアに住んでたら、ハルピュイアのことは誰でも知ってるわ」 確かに、『エックス』の四天王で、しかも筆頭を務めるハルピュイアなら、ネオ・アルカディアでは知らない者はいないだろう。 「私がコピーエックスの製作に関わっていたこと知ってるでしょ。ハルピュイアとは直接的な面識はなかったけど、その時に、一度だけ話したことがあるの」 オリジナルエックスの複製を造る―――その極秘プロジェクトのために、ネオ・アルカディア中から選りすぐりの優秀な科学者が集められた。当時、シエルはそのコピーエックス製作に携わる科学者チームの一人だった。 ネオ・アルカディアの幹部直々の依頼によるプロジェクトだけあって、科学者たちには最新鋭の設備が用意され、研究資金も莫大に投入された。 研究助成金の奪い合いもすることもなく、ひたすら研究に打ち込める。自分たちの知識や技術を思う存分試せる絶好の機会であり、その結果が世間に公表されることはないといえども、世界のためになるという偉業なのだから、科学者たちは俄然やる気も出てくる。 幼いながらも天才科学者の名を欲しいままにしてきたシエルは、このプロジェクトでも持ち前の優れた才能や技術をいかんなく発揮した。 科学者として理想的な環境の中、シエルはひたすら研究に没頭する充実した日々を送っていた。 その日も、シエルは他の科学者たちが帰った後も、遅くまで残って研究していた。 やっと区切りがついて、割り当てられた自室へ戻る途中、忘れ物をしたことに気づいた。 「いっけない……忘れてきちゃった」 そう呟いて、シエルは慌てて引き返す。 研究熱心なシエルは、寝る前にも資料に目を通したり、理論を考えたりとするのが日課になっていた。 だから、片時も研究用の資料を手放すことはなかったが、連日遅くまで研究に没頭していた上、睡眠不足でぼんやりしていたせいもあり、うっかり研究室に置いてきてしまったのだ。 一日も早く研究を完成させるためにも、時間は一分一秒たりとも無駄にはできない。そう思うシエルは歩く速度を速めた。 シエルが研究室に入ると、照明が室内を照らしていた。 すでに他の科学者たちも戻り、最後に出た自分が確かに照明を消したはずなのに。 私の他にも忘れ物をした人がいるのかしら? 辺りを見回すが、誰もいない。多分、誰か来ているとしたら奥にいるのだろう。 シエルはそう思いながら、自分のデスクに向かい、引出しから資料を取り出す。 資料をファイルにはさんで戻ろうとしたが、好奇心から、誰がいるのか確かめようと、研究室の奥へと歩き出した。 研究室には、科学者たちのデスクの他にも、様々な電子機器やモニター、研究用機材がいくつも置かれている。 それらの合間をぬって進んだシエルは、奥に誰か立っているのが見えた。 研究室の一番奥には、コピーエックスが入ったカプセルが置いてある。その傍に一体のレプリロイドが立ち、カプセルの中に横たわるコピーエックスを見つめていた。 シエルは近くの大きな機材の影に隠れて、そうっと覗いてみる。 レプリロイドは、すらっと背の伸びた、人品の整った凛々しい青年の姿をしていた。 ハルピュイア様だ…。 シエル自身、ハルピュイアはテレビや雑誌などで顔を見たことは何回もあり、このプロジェクトに参加してから、研究室を度々訪れるハルピュイアの姿を何度も見た。 だが、統治者代行として多忙な責務を負うハルピュイアは研究室に来ても科学者たちには目もくれず、もっぱら代表者や側近の説明を聞くだけだった。 ハルピュイアは若々しい外見ながら貫禄があり、力強い意志を感じさせる目の輝きを持っていた。 だが、今目の前にいるハルピュイアは違った。 まるで、迷子になって途方にくれた小さな子供のような、それでいて、とても悲しげな表情をしていた。 寂しげな瞳で、カプセルの中にいるコピーエックスをじっと見つめている。 「エックス様……」 微かにハルピュイアが呟くのが聞こえる。 それは、まだ目覚めぬコピーエックスに呼びかけているようであり、行方知れずになったと聞いたオリジナルエックスに呼びかけているような、とても優しい声だった。 ハルピュイアはふっと優しい表情になる。早くコピーエックスが目覚めるのを待ちわびているかのようだった。でも、その瞳は相変わらず寂しそうである。いなくなったオリジナルエックスのことを忘れられず、今も想っているのだろう。 寂しそう……。 とても切ない…と、シエルは思った。 何故、『エックス』様はいなくなられたのかしら。 きっと、どうしようもない理由があったのだろうけど……。 なんだか邪魔をしては悪いと思い、シエルは引き返そうとそっと身を翻す。だがその気配を察したのか、ハルピュイアは即座にいつもの毅然とした表情に戻る。 「誰だ!」 その声にシエルは思わず身をすくませる。 「すっ、すみません!」 反射的にシエルは機材の影から飛び出して、頭を下げて謝っていた。 「………科学者か」 ハルピュイアは腰に手を当てて見下ろす。 目の前の少女が誰なのかは、ハルピュイアは知っていた。 コピーエックス製作のため、ネオ・アルカディア中の科学者たちの資料がハルピュイアの手元に集められた。 目の前の少女はその資料の中の一人だ。 ドクター・シエル。 科学者として優れた才能を持ち、天才の名を欲しいままにしている少女。 今回の極秘プロジェクトの中心となる人物。 ドクター・シエルの頭脳があったからこそ、コピーエックス製作は驚くほど順調に進んでいた。 「え…えっと……。わ、私……忘れ物をして……そのっ……」 シエルはどもりながら、震える手でファイルを見せる。 ハルピュイアはネオ・アルカディアの幹部。一介の科学者であるシエルには雲の上の存在である。その存在が目の前にいることで、シエルはすっかり緊張してあがってしまっている。 それだけの威厳をハルピュイアは全身から漂わせていた。 「……エックス様は何時頃完成するのだ?」 ハルピュイアはシエルの反応にさして興味を示すことはなく、コピーエックスに視線を戻した。 「は、はい…。急げばあと一月ほどで」 「そうか……」 ハルピュイアは目を細めた。 「くれぐれも焦らず、完璧に仕上げろ」 「はい。お任せください」 ハルピュイアの言葉に、シエルはぴしっと背のびして頷いた。 そしてハルピュイアの横顔をじっと見つめる。 シエルはハルピュイアに親近感を感じ始めていた。 昔からシエルはずっと一人で、研究ばかりして生きてきた。研究に没頭するのは、研究や理論を解明するのが好きだからというのもあるが、もう一つ理由があった。 研究に没頭していたら、その間自分が孤独だということを感じることはないからだ。 ハルピュイア様も…きっと私と同じで孤独なんだわ。 シエルは思った。 理想郷の指導者は『エックス』様以外において誰もいない。だから、『エックス』様の複製を造る。すべてはネオ・アルカディアのため。 それがコピーエックス製作を考えたネオ・アルカディアの幹部――ハルピュイアの意見。 でも…本当の理由は……きっとお一人でお辛いから。『エックス』様がいなくなられてお寂しいから、『エックス』様が恋しいから、だから……『エックス』様の複製を望まれたのだわ。 シエルは、先ほどのハルピュイアの孤独な表情を見て悟った。 「エックス様は幸せですね。ハルピュイア様にこんなにも愛されているんですもの」 シエルは思わず素直な感想をもらした。 それを聞いたハルピュイアはひたとシエルを見据えた。その目は瞬きもせず、何も語らず、底の知れない表情をたたえている。 「あっ、すっ、すみません! お気にさわったのでしたらごめんなさいっっ!」 シエルはハルピュイアが怒っているのだと解釈して、慌てて頭を下げて謝った。 「………よい。下がれ」 「はっ、はい!」 シエルは一礼すると背を向けて、ぎくしゃくしながら歩き始める。 去り際に、もう一度、肩越しにハルピュイアを見る。 ハルピュイアはまたコピーエックスに視線を戻し、先ほどと同じ表情でじっと見つめていた。 「あの時の目は今も覚えてる。とても切なくて、寂しくて、でも…コピーエックスに対する愛情を感じる優しい目だった」 シエルは感慨深げに目を細める。 「彼はきっと優しい人よ。あの時思ったもの。『本当にエックス様のこと大事に思ってらっしゃるんだな』って」 まあ『エックス』とコピーエックスには優しいんだろうがな…と、ゼロは思った。 「コピーエックスの誕生を一番待ち望んでたのも、ハルピュイアだった。完成を待ちきれずに、時間を見つけては訪れて、コピーエックスの様子を見ていたから。ハルピュイアにコピーエックスが引き取られていったとき、絶対あの子は幸せになると思ったわ」 事実、ハルピュイアはコピーエックスの守役、統治を支えるパートナーとして、常に寄り添い守ってきた。 ネオ・アルカディアの方針が極端な人間保護政策に傾いても、コピーエックスの傍にいて支え続け、敵対する組織を容赦なく排除してきた。すべてコピーエックスのために。 「彼がコピーエックスをどれだけ愛していたのかもよくわかる。オメガに立ち向かったのだって、きっとコピーエックスを守るためだったのよ」 ダークエルフの力を得たオメガにがむしゃらに立ち向かったハルピュイア。 冷静沈着なハルピュイアらしからぬ行動は、居住区を無残に破壊され、人間たちを殺された怒り以上に、バイルやオメガを排除してコピーエックスを守りたかったのかもしれない。 それが、たとえ自分の命を失うことになろうとも。 そう思うシエルは顔を曇らせる。 「だから……コピーエックスの態度は許せなかったの」 ひたすらコピーエックスのために尽くし、戦ってきたハルピュイア。 シエルは、そんなハルピュイアを能無しと蔑んだコピーエックスに素直に腹が立った。 「ハルピュイアに惚れてたのか?」 ゼロの言葉に、シエルは笑って首を振る。 「ううん。確かに素敵な方だなって思ったけど、ただの憧れ。私は一介の科学者、ハルピュイアはネオ・アルカディアの幹部。いわゆる身分違いで雲の上の人だったし……。それにハルピュイアは『エックス』のことしか見てないって、態度見てればわかるもの」 そう言いながら、シエルはゼロを見る。 「私は……、ああいったぴしっとした完璧な人より、がさつでぶっきらぼうな人が好きみたい」 「……誰のことだ?」 ゼロは、シエルが誰のことを言っているのかわかったが、あえて訊いてみる。 「さあ?」 ゼロの問いに、シエルはくすっと笑って答えない。 代わりに、ゼロの手を両手で包んだ。 「頑張りましょう、ゼロ。人間とレプリロイドの未来のために」 「ああ」 ゼロは空いた手でシエルの手を優しく包み返した。 その時、ジョーヌが二人に声をかける。 「お待たせしました。ネオ・アルカディアの侵攻ルートをモニターに表示します」 正面の大型モニターに各エリアのデータが表示される。 「ミッションを選択しますか?」 「ああ」 ルージュの言葉にゼロが頷く。 「南の砂漠を進むネオ・アルカディア軍を確認…比較的早めの迎撃が必要かと思われます」 「迎撃をお願いしたいのですが…」 ジョーヌの説明に続いて、ルージュがゼロの返答を仰ぐ。 「了解した」 ゼロの言葉に迷いはなかった。 「ミッション発令…各員、転送準備にかかれ」 ジョーヌの指示で、司令室にサイレンが鳴り響き、辺りがちかちかと点滅し、転送準備が始まる。 シエルはゼロの顔に向かって背伸びをした。 「……二度目のおまじないね」 囁いてゼロの頬に口付ける。 最初のおまじないは、ネオ・アルカディア本部にゼロが向かったときだ。 「ゼロ。どうか、ハルピュイアのためにもコピーエックスを止めてあげて」 「ああ」 シエルの瞳がゼロをまっすぐに見つめた。 「…私、ゼロのこと信じてるから。ミッション中にどんなことがあっても、必ず私のところに帰ってきてくれるって!」 そう言って、シエルはゼロから離れる。 「転送準備完了」 ルージュが言った。 「転送!」 ジョーヌの声が響き、転送装置が作動する。ゼロの姿が瞬時に消えた。 シエルはぎゅっと手を握り締めて、ゼロが転送されていくのを見送った。 「ゼロ……」 小さな声で呟く。それが今のシエルに言える精一杯の言葉でもあった。 ゼロ。 ハルピュイアのためにもコピーエックスを止めてあげて。 そして、必ず無事に帰ってきてね。 お願い…ゼロ。 シエルは心の中で強く強く願った。 [ END ] Thank you for reading♪(^^) ロクゼロ3のコピーエックスとバイルからの通信イベント直前〜ネオ・アルカディア軍迎撃に向かう直前の話です。 ゲーム中のシエルのハルピュイアに対する台詞「彼は・・彼ならきっと、いつか私たちのことを理解して・・ 力になってくれるような気がするのよ・・」から生まれました。 ハルピュイアとシエルはコピーエックス製作の点で何かしら接点があると思い、こんなふうになりました。 「リマスタートラック ロックマンゼロ」のブックレットから察するに、ハルピュイアの方はシエルのことは 人間の少女ぐらいしか認識してないようですけど・・・(^^;)。 天才として生まれた故のシエルの孤独、ハルピュイアのネオ・アルカディアを背負う幹部としての孤独、 コピーエックスのエックスの複製として生まれた故の孤独・・・そんなものを感じ取って頂ければ幸いです。 ロクゼロ3をやっていて、ゼロとシエルのやりとりを見るごとに、心から信じあえる仲間や居場所を持つシエルは 本当に幸せだと思います。 |