〜[ハルピュイアとエックス] ロックマンゼロサイドストーリー16〜
「今、何と仰いました?」 ハルピュイアは言われた言葉が信じられずに、思わず聞き返していた。 「このユグドラシルで眠りにつく。だから、ネオ・アルカディアのことを君に任せたい」 ハルピュイアはエックスに伴い、ユグドラシル――ネオ・アルカディアの最深部へやって来ていた。 二人の前には、巨大な封印装置が大樹のようにそびえている。ダークエルフを封印するためにエックスが造らせた装置だ。 すでにダークエルフの半分はネオ・アルカディアの地下に封印した。残るはもう片方。それも後はここに封印するだけだったのだが。 「何故です?」 エックスは自分の胸に両手を当てる。 「…この子にかけられた呪いがボクにも及んでいることは知ってるね?」 最近エックスの体調がよくないのはハルピュイアも知っていた。それがエックスの中に封じられたダークエルフによるものだということも。 「ドクター・バイルの呪い……もう抑えきれなくなってきてる………」 「まさか…」 「このままでは、ボクまでダークエルフのようになってしまうかもしれない」 そうなれば、まず一番身近にいるハルピュイアに危害を加えてしまうのは目に見えている。 「…だから、自分を封印して眠りにつくと?」 エックスは静かに頷いた。二人はじっと見つめあう。エックスを見つめるハルピュイアの緑の瞳が次第に暗く濃い色に変わっていく。 「…何故、そこまでご自分を犠牲にできるのですか?」 「……みんなのためだから。このままではいずれ自分が自分でなくなって、君達やみんなに何かひどい事をしてしまうかもしれない。ボクはそれが恐いんだ」 「皆悲しみます」 「でも…みんなに会ったら、なおさら、お別れするのが辛くなる…。こうするしかないんだ。わがままだってわかってる。どうか、ファーブニルとレヴィアタンには君から伝えてほしい」 「…ファントムは?」 「ファントムはきっと…全部知ってるよ。いつも、何も言わないでいてくれるんだ」 エックスは口元に寂しそうな笑いを浮かべる。 「ファーブニルも、レヴィアタンも、優しいからボクのこと悲しんでくれるだろうけど、いずれ忘れ去られていくことだろう。時間の流れというのはそんなものだよ」 「そんなことありません」 ハルピュイアは否定する。だが、エックスは悲しげな目つきになると、遠くを見るような表情で微笑んだ。それは苦悩の果てにあきらめに達した者の悲しい笑顔。 エックスが自分の手の届かない遠くへ行こうとしている。そう思ったハルピュイアはたまらず叫んでいた。 「行かないでください! あなたはオレから存在意義を奪われると仰るのですか?」 エックスは目を見開く。ハルピュイアに昔の自分の姿が重なって見えたからだ。 ゼロはきっとこんな気持ちだったんだ…。 自分を残していなくなったゼロの心が、エックスは今改めてよくわかった。 「ハルピュイア。君は強い子だよ。ボクがいなくたって大丈夫だ。ファーブニルやレヴィアタンやファントムもいる。それに辛い事、悲しい事があっても……みんなが、みんなと過ごした思い出が、日常がきっと君の心を癒してくれる。ボクもそうだったから……」 辛い戦いが長く続けば続くほど、エックスの心を慰めてくれたのはゼロと過ごした日常の思い出だった。 「…オレの日常はまもなく終わります」 ハルピュイアは納得できない様子でエックスを見つめる。 エックスが自分にどんな顔をしてほしいのかは痛いほどわかる。だが、ハルピュイアはどうしてもエックスの望むようには振舞えなかった。 「エックス様。オレもここに残ります」 「だめだ。君はここにいちゃいけない」 ハルピュイアに、エックスは諭すように言い聞かせる。 「わかるね?」 ハルピュイアは何も言わずただ立ち尽くしていた。 「………一つ、お聞きしてもよろしいですか?」 「何?」 「エックス様は……お幸せでしたか?」 きょとんとするエックスを、ハルピュイアの緑の瞳がまばたきもせずにじっと見つめている。 「以前仰いました。『無駄な人生を過ごしてしまった』と。ネオ・アルカディアで過ごした時間も、あなたは無駄と思われていたのでしょうか…?」 ハルピュイアの問いに、エックスは困ったような表情をすると俯いた。 「…幸せだったのかどうかは、今でもわからない。いつも気がつけば後悔ばかりしてる……わからないよ。でもね、君と過ごした時間は楽しかったし満足している」 エックスはハルピュイアの顔を見上げると、照れくさそうに微笑んだ。 「辛い時は励ましてくれて、悲しい時は慰めてくれて……。君といる時が一番落ち着いた。君がいなければ、きっと統治者としてのボクもいなかったと思う。本当にありがとう」 「勿体のうございます」 ハルピュイアは胸がしめつけられ、それ以上言葉が続かなかった。 「今ならわかるよ。あの日、君が言ってくれたこと。無駄な人生なんかないって……。そうだよね、決して無駄な時間ばかりじゃなかった。君たちと過ごした時間は楽しかったし、幸せだった。ボクにとって大事な宝物だって言えるよ。もっと早く…その言葉を聞ければよかった」 そこまで言って目を閉じるエックスを、ハルピュイアは複雑な心境で見つめる。 エックスは自身の抱える苦しみや悲しみを表に出そうとはせずに、いつも穏やかな顔を周囲に見せていた。だが、時折気持ちをこらえきれず、悲しみの表情を表に出すことがある。そんなエックスを見るたびにハルピュアは辛かった。 眠りにつくことでエックス様の心が救われるのならば……どんなに悲しくても我慢しよう。エックス様のためなら。 「エックス様」 ハルピュイアはエックスの手を取り、両手で優しく包み込んだ。 「苦しみはお終いにございます。エックス様の安らかな眠り、オレがお約束いたします」 その言葉にエックスの目が潤んだ。エックスは空いた手でハルピュイアの頬を優しく撫でる。 「ファーブニルも、レヴィアタンも、ファントムも、みんな君を心から愛しているよ。だから、君もみんなを愛して大切にするんだ。みんな、君が困っていたら、必ず助けてくれるから。それから…ボクはいつも君の心にいる。そのことを忘れないでね」 「はい」 ハルピュイアはエックスの手をぎゅっと握り締める。その感触を永遠に忘れないように。 「いいかい。ここを出たら、振り返らずにまっすぐエリアXに帰るんだ。絶対に振り向いてはだめ」 エックスの言葉には、深い切実な想いがこめられているように感じられた。 「……さよなら、ハルピュイア」 エックスはつま先立ちハルピュイアの頬にキスをする。そして手を離すと、寂しげに微笑んだ。 ハルピュイアは黙って一礼する。そして扉の方に行きかけたが、ためらいがちに振り返った。 「もう振り返ってる…」 エックスは首をかしげて静かに笑った。ハルピュイアはつかつかとエックスの傍に戻ってくる。 「エックス様。その、せめて……いつもどおりに別れませんか」 エックスはきょとんとしてハルピュイアの顔を見つめた。 「振りだけでよいですから」 「…いいよ」 エックスは小さく頷いて言った。ハルピュイアも辛いのだ。大切な者がいた毎日が突然なくなる。今まで当然のようにあった日常がなくなる。その悲しみはエックスもよくわかっていた。 「では、今宵はこれにて」 「今日も一日お疲れ様。明日も頑張ろ」 ハルピュイアが別れ際に言ういつもの言葉に、エックスは笑顔で答える。 ハルピュイアは微笑み返すと、颯爽と身を翻す。そのまま扉の前まで歩いていくと、振り向き、笑顔で一礼した。 「失礼つかまつります」 「うん。また明日。おやすみなさい」 先ほどは二人分の足音が響いていた通路に、今は一人分の足音が響いている。 ハルピュイアはエックスの言いつけどおり、振り返らずにまっすぐ歩いていく。 「エックス様…。オレはずっと、あなたをお慕い申しておりました」 そう呟くハルピュイアの目には、涙が溢れていた。 「……おやすみなさい」 エックスは目を閉じて呟く。 ハルピュイア…泣いてる。 ごめんね。どうしても一緒にいられない。君はどうかみんなと一緒に、君の世界で生き続けてほしい。 きつく閉じた目から涙が強く溢れ出す。 ボクだってお別れするのは辛い。だけど、このままではいずれ自分が自分でなくなって、君たちに何かひどいことをしてしまうかもしれない。それがボクは怖いし恐ろしい。でも、これで安心だ。そう、これで…。 「これでやっと解放される…。静かに眠れる……。ボクの……ボクだけの場所」 エックスは巨大な封印装置を見上げる。 もう、昔の事を思い出して苦しむこともない。戦わなくてもいいんだ。ずっと眠っていられる…。 エックスの脳裏に、過ぎ去りし日の記憶が走馬灯のように次々と甦る。 イレギュラーの処理に戸惑うなど、ハンターとしてあるまじき事。それゆえに周りから白い目で見られ、孤立していた自分。 そんな自分の友達になってくれたのがゼロだった。いつも悩んでばかりいた自分を励まし、助けてくれたゼロ。ゼロに好意を持ち、尊敬もしていた。いつまでも一緒にいたいと思った。 だが、時間の流れは残酷だった。 何もかも自分を置いて消えていく。そして、ゼロもいなくなった。 ゼロとの別れに泣きながら、それでも一人戦い続けた。同時に何も感じなくなってくる自分の心。 それが嫌で、孤独に耐えられなくて、ハルピュイアたち四天王を生み出した。 あの子たちには悪いことをしてしまった。でも、もう大丈夫だよね。都市はもうすぐ完成するし、あの子たちには帰るべき家だってある。 ボクがいなくても、あの子たちは強く生きていける。あの子たちの幸せな姿を見続けていられるうちに眠りたい。 ハルピュイア。ファーブニル。レヴィアタン。ファントム。最後にゼロの姿が浮かんだ。 ゼロ…。ボクは頑張ったよ。だから…もう休んでもいいよね……。みんな、きっと大丈夫だから……。 記憶の中のゼロにそう語りかけながら、エックスは眠りに落ちた。 ハルピュイアは黙々とエックスの品を片付けていた。何かしていなければ、自分の心がどうしようもない感情に押しつぶされてしまいそうだったから。 机の引出しを開けると、引出しいっぱいに入った手紙が出てきた。エックスが書いていた手紙だった。もう届けられることもない手紙。 ハルピュイアは引出しを引っ張り出して机の上に置くと、そのうちの一通を取り出す。封は閉じられてないので、中の便箋は難なく取り出せた。ハルピュイアは手紙を読んでみた。 『ゼロ。もう桜の季節になったね。 君がいなくなってから、もう何年の時間が過ぎたんだろう。 昔、桜を一緒に見た日を覚えてる? 初めて見た桜はとっても綺麗で、ボクはすっごく嬉しくてはしゃいで、そんなボクを君は呆れた顔で見ていたよね。 『桜なんてどれも同じだ。来年もまた咲く』って言った君に、『今年の桜は今しか見れないから』って、ボクはなかなか帰ろうとしないで、君を困らせたっけ。 桜は今年もちゃんと咲くけど、君と見たあの桜より綺麗な桜はないと思う。どんな桜も、君と一緒に見たから、すごく綺麗だった。 次の桜が咲く頃には、君に会えたらいいな。 じゃあ、またね』 『ゼロ。ボクに子供ができました。 全部で4人いるんだ。 名前は、ハルピュイア、ファーブニル、レヴィアタン、ファントム。 ハルピュイアはしっかりしていてすごく賢くて、ボクの行政を手伝ってくれる頼りになる子だよ。 ファーブニルはやんちゃで暴れん坊だけど、根はとっても素直ないい子なんだ。 レヴィアタンはボクに一番似ている子だよ。でも性格は似てないってみんなに言われてる。勝気で言いたいことを言える正直な子で、そこがボクはうらやましいんだけど。 ファントムはゼロに雰囲気が似てる子だよ。寡黙だけど優しくて、いつもボクを影から護衛してくれてるんだ。 みんなとってもいい子だよ。ゼロが戻ってきたら、みんなを紹介してあげる。 その日が早く来ればいいと思う。 では、今日はこの辺で』 手紙には、エックスのゼロへの想いが切々と綴られていた。 日付が新しくなる毎に、手紙は次第にゼロへの詫びの手紙に変わっていく。 『ゼロ。君に会えなくて寂しいよ。 何故ボクを残していなくなったの? なんでボクを一人ぼっちにしたんだ? ひどい、ひどいって、毎日泣いて恨んだときもあったけど、今ならそれは筋違いだってわかる。 君はボクやみんなのために、自分を犠牲にしてくれたんだ。 君は君にできる方法でボクを守ってくれた。 ボクのせいなんだよね。ボクが弱かったから、ゼロに守られてばかりだったから。 結局、ゼロに最後まで迷惑をかけたんだ。 なのにゼロを恨んだりして…。わがままでごめんなさい。許してね? それじゃ…おやすみなさい』 『ゼロ。最近思うんだ。 あのとき、君を止めればよかったって。 何か他に方法がないか探そうって、言えばよかったんだ。 それが今でも悔やんでならない。 きっと何か、君を犠牲にしない方法があったはずだって……』 『ゼロ。今日も君の夢を見たよ。 夢の中の君は暗闇の中を先に歩いていってしまって、ボクはあわてて追いかけるんだけど、全然追いつけなくて、君はどこかに行ってしまって、ボクは一人ぼっちになるんだ。 すごく悲しくて、ゼロの名前を何度も呼ぶけど、君は帰ってこない夢。 最近寝るのが怖くなってる。だって怖い夢を見るから。なんだかゼロに本当に会えないって思ってしまうから。 『良いことを考えてれば、良いことが起こる。よくないことを思い続けてれば、そのとおりのことが起こる』……君が言ってくれた言葉を思い出して、そんなことないって自分に言い聞かせるけど、最近それもあまり効果がなくなってきてる感じ。 疲れてるのかな。ごめんね、こんなこと言って』 『ゼロ、ごめんね。 ボクは君まで犠牲にしてしまったんだね。 これもボクが弱くて、ゼロに守られてばかりで、少しも変わろうとしなかったから。 勉強したり、訓練する時間はたくさんあったはずなのに、時間のあるときはいつも安穏とした時間を過ごして、ゼロに甘えて頼ってばかりだった。無駄な時間を過ごしてしまった。 結局…ボクは大事な君まで犠牲にして、こうしてまだ生きている。 みんないい人ばかり死んで、ボク一人が残されたまま。 こんなに苦しむのは、何もしようとしなかったボクのせい。自業自得だよね。 謝ってすむことじゃないよね。 でも、もう一度言わせて…。 ごめんなさい。 ボクたちの思い出も…もう戻らない。 だけど、もう一度あの時に戻れたら、昔を今に変えることができたら、二度とゼロに迷惑をかけたりしないのに』 「……エックス様」 ハルピュイアはエックスの苦悩の深淵を垣間見たような気がした。 最後に読んだ手紙の一節、『もう一度あの時に戻れたら、昔を今に変えることができたら』を読み返すと、切なさが溢れてくる。 自分が思っていた以上に、エックスはゼロのことを後悔して苦しんでいたのだ。 エックスはいつも優しい笑顔を向けてくれたが、瞳は寂しそうだった。無理もない。エックスは常に心の奥でゼロのことを後悔していたからなのだ。 『絶対に振り向いてはだめ』 エックスの言葉がハルピュイアの脳裏に甦る。 ハルピュイアには過去を振り返って後悔してばかりの人生を送ってほしくない。エックスはそう願っていたのだ。 「読んだのか……」 不意に聞こえた声にハルピュイアが後ろを振り向くと、ファントムが腕組みをして立っていた。 「お前も…読んだのか?」 ハルピュイアは返す言葉が見つからず、おうむ返しに尋ねた。 「勘違いするな。拙者はエックス様が書かれていたのを見守っていただけだ」 「そうか……」 「これからどうするつもりだ?」 ハルピュイアは一瞬動揺してファントムを見たが、すぐに平静を装った。エックスが言っていたとおり、ファントムはすべてを察しているのだ。 「…せっかく都市が完成しようとしている矢先に、エックス様不在が知れ渡れば混乱が起こるかもしれん。新たな統治者がいないと世は乱れる。だが、オレはエックス様以外の者に仕えるつもりはない。それはお前もそうだろう?」 ハルピュイアの問いに、ファントムは黙って頷いた。 「だから、エックス様のDNAからエックス様の代理となる複製…コピーのエックス様を造る」 仮面の下のファントムの目が見開かれる。 「…エックス様がおられない今、DNAなどどこに……」 「エックス様のDNAなら、我ら四天王が持っている」 ハルピュイアは表情一つ変えずに答えた。 「お主…」 ハルピュイアはファントムの視線を受け止めると、自分の胸にそっと手を当てる。 「これきりだ。エックス様のDNAを決して他に利用などさせん。終了次第、すべてのデータは消去させる」 淡々とハルピュイアは語る。その声は低く抑えられていたが、全身からは激しい情念のようなものが立ち上がっているように感じられた。 喪失の嘆きは深い苦痛と衝撃を与える。とりわけ大切な者を失う悲しみは、時に人を狂気に駆り立てるほど心を激しく揺さぶるのだ。エックスのDNAからコピーのエックスを作る――狂気を感じさせなくもない計画。だが、誰が何と言おうとも、ハルピュイアはこの計画を実行するだろう。 エックス様への想いゆえか…か。 ファントムは腕組みをして、目をつぶり、考える。 ハルピュイアの言うことももっともだ。それにエックス様がハルピュイアにネオ・アルカディアを託された以上、すべての決定権はハルピュイアにある。ならば、拙者にできることはハルピュイアを手伝ってやることだ。 「…拙者にできることは?」 「ファーブニルとレヴィアタンを至急呼んでくれ。二人にはオレから話す。それから、レプリロイド開発の権威が必要だ。信頼のおける優秀な科学者たちの資料を明日の昼までに集めてくれ」 「承知した」 その言葉と共にファントムの姿が静かに消えた。 ハルピュイアは目を閉じる。瞼の裏にエックスの姿が浮かんだ。 エックス様。 自分を犠牲にしてまで、皆の幸せを願ってくださったあなたのお気持ち、ありがたく思います。 あなたはずっとオレたちを守ってきてくださった。 ですから、今度はオレたちがあなたに恩を返す番です。 あなたが静かに眠っていられるように、ユグドラシルを不可侵のエリアとし、あなたを守ってみせます。 エックスがようやく得た心の平穏。それを乱す者は誰であろうと排除する。ハルピュイアはそう心に決めていた。 そして、もう一つ……。 あなたは自分がいなくても大丈夫だと仰った。ですが、オレはあなたがいないとだめなんです。オレが強い自分でいられたのは、あなたがいてくださったから。 オレにはあなたのいない日常は考えられない。あなたを甦らす事ができるのなら、あなたを取り戻せるのなら、オレはその可能性に賭けてみたい。 だが、ハルピュイアは気づいていなかった。 過去は取り戻すべきものではないこと。そして、それが新たな悲劇を生むことになろうとは…。 [ END ]
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